「好きです。サッカーが…」
私は、サッカー部に所属している。5泊6日の夏の合宿で足首をケガしてしまった。
くるぶし付近の骨にひびが入り、外側の靭帯で炎症を起こすという今までにない重症なケガだ。
特に最初の三日は、痛みが引かず歩くこともできなかった。
少し痛みが引き始め、部活にも見学という形で参加した。
自分にできる事は何かを考え、外から見て思ったことをプレーしている人に伝えることにした。
しかし、なかなか聞く耳を持ってくれる人はおらず、悲しくなった。「見学してるやつの意見には説得力がないのかもしれない」と思い、意見を求められた時以外、何かを言うのはやめた。
その時に思ったことは、「復帰した時に、オレの意見を聞かなかったやつを見返してやる」ってことだ。
そのためにも、チームの練習や試合を頭を使って見るようにした。
すると、今までとは違う見方に気づくことができた。
ケガしてから約二ヶ月が経ちサッカーができる状態までに足が回復し、無事復帰することができた。
体の状態がベストではないこともあり、なかなか思うようにはいかないが、やはりサッカーは楽しい。
そして、良い意味で以前とは違った感覚でボールを蹴ることができている。
それは、ケガしたからこそ得られたことだと思う。
見学している間、チームメイトがどんどん上達していき不安にもなった。
何もできない自分が悔しかった。けれど、そんなことで悩む必要なんてなかった。
だって、今こうして1UPした自分に出会えているではないか。
自分自身の身に起こる全てのことに意味がある。そこから、なにを感じ、なにを学ぶのか。1UPできるかは、自分次第。かかってこいよ、試練たち!